甘い初恋は、イケナイ最後の恋。

孤独






今日も夕方からの居酒屋のバイト。
今日は早上がりだったから、早くバイトが終わった。




更衣室で着替えていつものように休憩室で大くんが来るのを待つ。




大くんと一緒にいる時間はあっという間に過ぎていくのに、大くんを待つ時間は長く感じる。




セルフサービスで用意されているお茶を飲んでいると、スマホが光ってLINEの通知を知らせる。




『悪い。ちょっと遅くなる』




差出人は大くんで。
大学もテストがあるって言ってたから、きっと勉強してるんだ。




了解というスタンプを押して、大くんが来るまで勉強していようとテーブルの上に勉強道具を出す。




これで大くんがここに来たら「勉強してたのか?偉いな」ってきっと褒めてくれる。




大くんに褒められるのが、優しく頭を撫でられるのが最近の一番嬉しいことになってる。




他の人に褒められるのと大くんに褒められるのとじゃ全然違うの。




だから大くんに褒められるためだったら何だって頑張れるんだ。




「大くん…早く来ないかなー……」



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