bittersweet
「テメー何言ってんの?」

場所柄を考えてかものすごい小さい声で吉岡くんが言う。

それがなんだか逆に怖い・・・

「っていうかさ、こっちが付き合ってようとなかろうとキミには関係ないと思うけど?キミだって彼女とずいぶんと仲良くしてたじゃん。ねぇ彼女さん?付き合ってるんでしょ?」

後ろで居場所なさそうにしてる女の子に高田さんが話をふる。

「彼女」と呼ばれた女の子は「ええ。まあ」とまんざらでもない返事をする。

「別に付き合ってるわけじゃ・・・」

吉岡くん顔が真っ赤になってる。

「キミが心の中でどう思ってるか知らないけど、他の人にどう見えてるかってことも意外と重要だと思うんだよね」

高田さんが冷静に言う。

「それに少しは女の子の気持ちを考えた方がいいんじゃない?」

吉岡くんは顔を真っ赤にしたまま絶句してる。

「さ、琴美行こう」

高田さんが私の肩を抱いて促す。

私は吉岡くんの顔をまともに見ることができずそのまま高田さんと店を出た。
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