只今上司がデレデレちゅぅ！！〜溺愛上司に愛されて〜
久々にぐっすり眠れたのか美羽の顔色は通常に戻っていた。

桃歌もそして何故か目の前に座っている響輝も満足そうに笑っていた。

仕事がスムーズに進む。

美羽は改めて睡眠は大事だと確信した。

会社での悠哉はいつも通りだった。

最近、美羽は悠哉と話もしていない。

会社でももちろん家にいたときも…。

しかし、美羽は離れたくないと思っていた。

勇気を出して美羽は昼休み、悠哉に話しかけた。

「社長、少しいいですか？」
「あ、ああ」

悠哉は美羽を社長室に入れる。

「何かな、…柊木さん」

その呼び方に美羽は気持ちが落ち込むのを感じた。

「…名前じゃないんですね」
「ああ、今は会社だからな。誰がどこで見ているか分からない」

悠哉の緊張が美羽にまで伝わる。

美羽は堪えきれず笑った。

「ぷっ…ふふふ」

美羽はお腹を抱えて口に手を当てて笑うが、隙間から零れていた。

「何を笑って…」

悠哉は美羽の笑う姿を見て目を見張る。

「だって、社長が…悠哉さんが緊張しているから」

いつもの堂々とした悠哉ではない。

今の悠哉は面接に来た時の美羽に似ていた。

「そりゃ、緊張もする。君と話すのはその…久々だから」

悠哉は自信なさげに俯く。

美羽は笑うのをやめて悠哉を真っすぐに見た。

「今日、夜ご予定はありますか？」
「いや…ないけど」

悠哉が久々に家に早く帰れる日。

美羽は笑って言う。

「それでは、一緒に帰ってもいいですか？」
「あ、ああ。それは構わないが…」
「ご飯も、一緒に食べましょう。私は貴方とお話がしたいです」

美羽は少し頬を赤らめる。

悠哉は顔を隠すように美羽から逸らす。

そして小声で言った。

「俺も、美羽さんと話がしたいです…」

それと同時にお昼休みの終了の合図が鳴る。

美羽はスッキリした表情で仕事に戻った。
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