只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜

お見合いですか?

美羽は頭を上げると目をハッとさせた。

固まる美羽に悠哉は声をかける。

「どうしたの?美羽」
「社長…」

美羽はぷるぷると震えだし、

「お茶すら出していないじゃないですか!!」

と悠哉を怒鳴りお茶を用意しに席を外した。

「み、美羽…」
「ははは、面白い人ではないか。なあ母さん」
「ええ、そうですね。それにとても可愛いらしい…」

悠哉の母親は美羽の後ろ姿を見つめる。

「母さん…もしかして」
「惚れたみたいだな、悠哉…頑張れよ!」

会長は悠哉に向けてウインク付きの声援を送った。

悠哉は寒気を感じた。

「悠哉、美羽さんのご趣味は!」

自分の母親が目を輝かせながら自分の恋人のことを聞いてくる…。

悠哉は胸やけするような感覚がした。

美羽がケーキと紅茶を持って戻ってきた。

「遅くなってしまい、申し訳ありません」

美羽は会長、奥方、悠哉、自分の順に置いていく。

「美羽さん、早く座って!」

悠哉の母親が美羽を急かす。

美羽は失礼しますと言って座った。

「美羽さん、私は結愛と言います。悠哉の母です!」

悠哉の母親・薙田結愛はとても若々しく思えた。

「是非、結愛と呼んでくださると嬉しいわ~!それでね!」

結愛はマシンガンのように美羽に話しかける。

悠哉は美羽の楽しそうな表情を見て優しく微笑んだ。

会長はそれを見逃さなかった。

「お前にも表情というものがあったとはな…」
「親父…」
「お!素が出た!」

その後、四人で和気藹々と話し、悠哉と美羽で見送った。

美羽は結愛と連絡先を交換していた。

「ありがとう、美羽」

小さな声で言う。

「いいえ、私も楽しかったです」

美羽は満足そうに笑った。
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