只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜
部署は違っても同じ会社なのは確かである。

今美羽は、響輝の幼馴染であり悠哉の元カノと鉢合わせしていた。

「おはようございます柊木さん」

向こうはニッコリ笑い挨拶する。

「おはようございます、中原さん」

美羽もいつも通りに挨拶をした。

美羽がエレベーターに向かうと後ろから小さく舌打ちが聞こえた。

「?」

美羽が振り返っても悠哉の元カノはニッコリと笑っていた。

美羽はその笑顔に悪寒を覚えた。

美羽はまだ気づいていなかった。

この時悠哉の元カノが美羽を睨んでいることに…。

美羽はいつものように普通に出社した。

「おはようございます」

と言ってもまだ桃歌も響輝も来ていない。

美羽は朝の掃除を始める。

課内の掃除も美羽の日課となりつつあった。

「中原さん…私のことが嫌いなのかしら」

そんなことを永遠に考えながら掃除を進める。

いつの間にか課内は綺麗で輝いていた。

「あれ?」

美羽は不思議に思い首を傾げる。

「やりすぎよ美羽」

出社してきた桃歌が美羽の後ろに立つ。

「あ、おはよう桃歌」
「おはよう。相変わらず呑気ね」

桃歌はそう言って自分のデスクに座る。

「そうかな?」

美羽がやった掃除からして普通ではないことは目に見えて分かる。

「まあ、少しは動揺してるのね…」
「うん…」

桃歌は美羽の手を取り、

「一人で抱え込まないでね。私も社長も響輝さんもいるんだから」

美羽の額に自分の額をコツンとくっつけた。

「うん、ありがとう桃歌」

美羽は元気を取り戻したようだった。

しかし、心の中のモヤモヤはまだ晴れていなかった。
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