只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜
一度家に戻って荷物を置いた。

美羽と悠哉は2人で散歩をすることにした。

「美羽の暮らしていたところは平和だな」
「そうですね、とても穏やかです」

2人は河原に来ていた。

「うん、のんびりできた」
「ふふ、それなら良かったです」

美羽は嬉しそうに笑った。

「…こんななんだな」
「?何がです?」

美羽が聞くと悠哉は美羽を真っ直ぐに見つめて、

「好きな人の隣にいるということがこんなにも幸せなんだなって」

美羽は悠哉の言葉を待つ。

この人の言葉を待って、この人を受け入れればいい。

「美羽…」

美羽は逸らすことなく悠哉を見る。

「俺と、結婚してください」

美羽は悠哉に抱き着いて手を背中に回した。

「はい、よろこんで…!」

美羽が流した涙が悠哉の肩に跡をつけた。

「愛してる、美羽」
「私もです…、悠哉さんっ」

美羽と悠哉は夕日に照らされながら唇を重ねる。

「そろそろ帰ろうか」
「はい!」

2人は手を繋いで歩く。

「美羽の敬語が取れたらいいな」
「それはまだ当分先ですね」
「何で?」
「まだ、退社前?ですから」

家の前に着くと悠哉は立ち止まった。
美羽は先にドアの前に行き、悠哉が立ち止まっていることに気がついた。

「会社…本当にやめてもいいのか?」

そう言われて美羽は悲しそうな顔をした。

「やめたくないですよ?だって…憧れていた所ですし、折角入社出来たのに。でも…」

この前の中原との話だ。

悠哉は美羽に言った。

「辞めたくなかったら辞めなくてもいい。俺はお前に辛い思いをして欲しい訳じゃない」
「辛い…とは思ったことないです。だけど、少しだけ悔しくは思います」

入りたくて面接を受けた。

影響を受けたから…。

美羽はそう思っていた。
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