只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜
俺は彼女の何を知っているのだろうと考える。

きっと一部を知っていて、全部は知っていないだろう。

「働き者で、友人思いで、優しい子…」

会社で見てきた彼女の印象はそれだけ。

「悩みを抱え込みやすくて、友人に当たることを嫌う」

心優しいことも知っている。

「あまり表に出さず、悩みは深いもの」

今回のことで改めて知ったこと。

本当に優しい人なんだと考えて改めて思う。

「彼女は、自分のことよりも人を優先する」

自分とは真逆だと響輝は思った。

彼女は損得関係なく動くことができる。

自分に利益がないことはしない俺とは違う。

「はぁ~…」

深いため息をつきながらお酒を飲み進める。

「誘ったのは俺だが、あまり飲みすぎるなよ。ていうか、お前も自分のこと何も考えていないだろう」

悠哉は知っている。

響輝が人のためだけに行動することを。

たとえ自分が不幸でも、利用されるだけの存在だと分かっていても人の為に動く、心優しい友人を。

一人で抱え込み、悩みはすべて飲み込む強くて弱くて脆い友人を。

「お前ほどいい奴なんて…俺は知らないね」

悠哉は見ていないようでいて見ているのだ。
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