只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜
8月のお盆休み。

桃歌は響輝と共にお墓参りに来ていた。

「あの、響輝さん…。このお墓は?」
「…俺を育ててくれた祖父母の墓です」

毎年来ていると響輝は言った。

お盆は毎年実家に桃歌は帰っていたが、今年は響輝に誘われ響輝の実家に来ていた。

「俺、幼い頃から大人びていたらしく、両親に見放され、祖父母に育てられたんですよ」

懐かしむように話す響輝の表情はどこか微笑んで見えた。

「悠哉の家族とは祖父を通じて出会ったんです」

響輝と桃歌はお墓の前で手を合わせる。

「そんな大事な話、私にしてもいいのですか?」
「俺があなたに聞いて欲しかったんです。」

響輝は桃歌に聞こえないくらいの声で言う。

全てを受け止めてくれると思ったから、と。

その一瞬見せた響輝の悲しそうな表情を桃歌は見逃さなかった。

お墓参りが終わると、響輝の実家に向かう。

今は響輝の叔父が管理している。

叔父は響輝を祖父母と同じように面倒を見てくれた。

「桃歌さん」

響輝は桃歌に向き直る。

「あのお話は冗談ではなく、真剣です。ですから、沢山悩んでもどれだけ時間がかかっても俺は待つつもりです」

ですから…。

「答えは、桃歌さんの気持ちを聞かせてください」

響輝の尋常ではない真剣さに桃歌も緊張感を持った。
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