俺様社長はウブな許婚を愛しすぎる
今日はどうかな？　いつも和臣さんから「今日、泊まってもいいか？」って聞いてくれるけれど、いまだにそれはない。

もしかして明日は忙しいのかな。

そう思うと自分から聞くことに躊躇ってしまう。


あっという間に私が住むマンション前に着いてしまった。けれど彼が車を停めた場所は、いつも泊まる際に停めているところ。

期待に胸が膨らむ。

「到着……と。よし、家の前まで送ろう」

「えっ……」

車を駐車場に停めたから、てっきり泊まっていくのかと思っていた私は、思わず声を上げてしまった。

すると和臣さんは不思議そうに私を見つめてきた。

「ん？　どうかしたか？」

「あ……いいえ、その……」

慌てふためく私を、ますます和臣さんは不思議そうに眺めてくる。

こ、これはもう聞くしかないのでは？　それにやっぱりこのまま和臣さんに帰ってほしくない。もっと一緒にいたいもの。

自分を奮い立たせ、私を眺める彼に言った。
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