俺様社長はウブな許婚を愛しすぎる
改札口を抜け、最後に顔を見合わせ笑顔で頷き、背を向けお互いホームへと向かう。

今の私は私らしくない。

陸斗の言う通り昔の私は無鉄砲で、自分の気持ちをはっきり相手に伝えていた。


本来の自分を隠して和臣さんの前で自分を偽り、言いたいことを言わずにいたら、なにもかもうまくいかなくなるに決まっている。……今のように。


和臣さんに不満があるならちゃんと伝えればよかったんだ。灯里ちゃんばかり優先しないでほしい。私を一番に考えてって。

言わずに気づいてもらおうだなんて……。そう思っていた自分が恥ずかしくなる。

明日、ちゃんと和臣さんに伝えよう。今の私の気持ちをすべて。

決意を胸に家路に着いた。
< 75 / 92 >

この作品をシェア

pagetop