「 」
序章
人は欲に忠実すぎたのだ。
不老不死を求めてはいけなかったのだ。


科学はもちろん特に遺伝子組換え技術が異常発達したこの世界には、あらゆる人種が存在している。獣人、虫人、植人……、もちろん純粋な人間も存在するがその割合は1割にも満たない。
そんな摩訶不思議キテレツな世界が当たり前になったのにはきちんとした理由が存在する。突然変異?そんな奇跡的なものではない。人為的に行われた人体実験の末の世界だ。10年前までは人体実験は禁止されていて、もちろん人間の遺伝子組み替えに関しての研究もご法度だった。
しかし、とある影響力のある団体によって秘密裏に実験は大成され、残酷な内容が省かれた結果が世界に公表され、人間に対しての遺伝子組み替えがほとんどの国で許可された。
その結果が多岐にわたる人種の分岐だった。


手に余る技術は身を滅ぼす。
完全純粋な人間はきっともう、滅んでしまう。


そう、これは、あらゆる遺伝子を内に秘め、偶然産まれ落ちてしまった不死の少年の悲しい物語。

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