和泉くんの考えてることはわからない。


「花宮さん」

「っ!!」



不意に、後ろから大好きな声が私の名前を呼んだ。


反射的に肩がビクッと跳ねて、ゆっくりとその声の方を振り返る。



その声は、朝からずっとぐるぐると考えていた大好きな人しかいるわけがなくて。



「………なに、そのマスク」


わざわざ自分の席から離れていたのに、和泉くんは当たり前のように離れた場所にいる私の元へとやって来ていた。



振り返った私の口元にある白い布を見て、顔をしかめる和泉くん。


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