僕じゃ、ダメですか?【完】
そう言うと、
HAPPY Tシャツを着た純君は
静かに玄関へ消えていった。


バタン、と
ドアの閉まる音がして

ソファに倒されたままの
私だけが残った。


唇を、指でそっとさわる。



純君の残した、

甘い香りが

ほのかに漂っていた。
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