“あなたを愛しています”









「嘘でしょ……」




その言葉に、返答してくれる人なんて誰もいなかった。

嘘ではないことは間違いなかった。

司君は私の前で車に押し込まれ、京都へと帰されてしまったのだ。




「司君……」




大好きなその名前を呼ぶと、涙が溢れてきた。




「司君……行かないで」






結婚するって言ってくれて、嬉しかった。

私、本当に司君と結婚したいと思ったよ?

身分不相応だと、嫌という程分かった。

でも……司君が別の女性と結婚して、別の女性を愛するなんて考えられないよ。

私が司君のこと、一番好きなんだから!!


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