し ろ う さ ぎ

「……っぶ」


「……え？」


「ごめんごめん。
笠井さんあんまりにも必死そうな顔してたから……ふふ」



そう言った斎川君は目元を優しく和ませ口元を押さえて笑う。

その仕草にあれはわざと逆さにしていたことを物語っていた。


……え。


めっちゃ恥ずかしいんですけども。


単純にその言葉だけしか浮かんでこない。


おまけに顔が真っ赤になっているであろうことも安易に分かってしまう。




「笠井さん、顔真っ赤」


「し、知ってますっ！」



指摘されたことで更に赤くなった顔を隠したくてふいっとそっぽを向く。


耳まで熱い気がする……。