し ろ う さ ぎ


先生の言葉に一呼吸ほど置いてから閉められていた前のドアが開く。


そしてゆっくりとした動作で教室に入ってきた転校生。


皆がそれぞれ転校生の姿を確認したと同時に教室は割れんばかりの悲鳴に包まれた。

女の子はすごい声が出るもんだとあたしは改めて驚く。




「……しかも少女漫画とか恋愛小説に出てくる人物並みのイケメン……!
こんなこと……アリなのぉ……!?」



予想外の出来事にあたしもつい口から零れる言葉。


思わず触りたくなるようなふわっとした髪の毛は高校生にしては珍しく少し茶色がかっていた。
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