銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
おまけに彼が国王になってからというもの良好だった隣国との関係が悪化し、一触即発の危機に陥っているのだ。

民衆だけでなく、貴族からも不満が募っている。

現国王は前国王ハワード三世の弟で、強欲な王は自分の取り巻きの貴族を丸め込み、三年前に兄と甥を王都の外れにある塔に幽閉して国王の座についた。

国王の従兄にあたる父が国王に色々と苦言を呈しても、全く聞き入れてもらえないらしい。

『お前は何も心配しなくていい』とお父様は仰るけど、こうも毎日帰宅が遅くては気になってしまう。

きっと今日も国王が開いた宴に最後まで付き合っているのだろう。

国王は不信感を抱く貴族の財産を没収たり、処刑したりして恐怖政治を強行しているらしいし、父にもそんな最悪の事態が起きるのではないかと不安になる。

メイドのクレアにバレたら怒られるかもしれないけど、お父様が帰るまで起きていよう。

そう決めると、ベッドから起き上がり、窓をそっと開けてテラスに出た。
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