銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
「やっぱり昨夜のセシルの声、聞こえたんじゃないか?」

嘘……⁉︎。

彼の言葉に、顔面蒼白になる。

穴があったら入りたい。

恥ずかしくて、もうみんなの顔、見られないよ。

そんなことを思っていたら、ギリアンがニコニコ顔で近づいてきた。

「おはようございます。この分だと我が国のお世継ぎ問題もすぐに解消されそうですね」

「え?」

ギリアンの発言にキョトンとする私を見て、ジェイが楽しそうに補足説明する。

「ギリアンはそのうち俺達に子供が出来るって言ってるんだ。セシルの子なら綺麗だろうな」

ジェイは、私を見て嬉しそうに笑う。

「子供⁉︎」

素っ頓狂な声を上げる私。

でも……よくよく考えたら、あんなに愛し合っているんだもの。

子供が出来てもおかしくないかも。

そっと自分のお腹に手を当ててみる。

「ここに……もういるのかな?」
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