オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
「入って」

浩太郎さんに背中を押されるように部屋の中へと入る。

大きな玄関に私の驚きはピークに達していた。

「左手にリビングがあるからそこで待ってて。俺は着替えてくる」

と言って寝室のある方へ行った。

リビングと言ってもさぞかし広いんだろうなと思いながら入ると全面ガラス張りの窓が目に入った。

窓側にL字型のソファと正方形のおしゃれなローテーブル。

ラグはふかふかすぎて躊躇するほどだった。

奥まった場所にアイランドキッチンがあり、その前にはシンプルなダイニングテーブル。

窓に近づくとバルコニーがあるが、ルーバーがいい目隠しになっておりプライバシーが守られている。

「なんだ座らないのか?」

振り向くと浩太郎さんがスーツから白のヘンリーネックTシャツとカジュアルなパンツ姿で立っていた。

スーツも素敵だけどこういうラフな服装もかっこいいんだからイケメンて本当にお得なことしかない。

「は、はい」
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