ロマンスがありあまる
「突然の異動でなれない秘書の仕事を頑張ってるし――家族のためと言うのもあるのかも知れないけど――、上司だ息子だと関係なくこうして話しかけてきてくれるし」

「話しかけているんじゃなくて、叱りにきているんです」

「君が初めてだよ、そうやって僕に話しかけてくれたのは」

そう言った専務に、私の心臓がドキッ…と鳴った。

「…ジョーダンは言わない方がいいと思います」

私はそう言ったけれど、
「悪いけど、ジョーダンじゃないね」

専務は言い返したのだった。

「全部、事実だから」

三白眼の瞳に見つめられたせいで、私の心臓がドキッ…と鳴った。

その瞳から目をそらすことができない自分がいた。

本当に、何なんだろう…。

そう思いながらも、彼から目をそらすことができなかった。
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