ロマンスがありあまる
「おみやげを渡しにきたのはもちろんのこと、国光と婚約をしたって言う秘書の顔も見たかったから」

えっ、私ですか?

英恵さんは私を見つめると、
「あなたなら安心して、仕事でも家庭でも国光のことを任せられそうだわ。

美人だし、しっかりしているし」
と、言ったのだった。

えっと、認められたと言うことですよね?

「お父さんも遠野さんなら安心だって言ってるよ」

そう言った専務に、
「まあ、そうでようね」

英恵さんは言ったのだった。

「じゃあ、私はこの辺で失礼するわ。

それから…」
と、英恵さんは今度は専務に視線を向けた。

「国光、たまには実家に帰ってきなさいね。

お母さんがね、ちゃんと食べているのかって心配していたわよ」

そう言った英恵さんに、
「時間があったらね」
と、専務は返事をしたのだった。
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