ロマンスがありあまる
「専務はお姉さんが変わってしまったことが嫌なんですか?」

そう聞いた私に、
「生き生きしているからいいと思うよ」

専務は答えたのだった。

「それじゃあ、私は秘書課におみやげを渡してきます」

私も専務室から立ち去ろうとしたけれど、
「待って」

専務に呼び止められた。

「何で…」

そう聞こうとした私の唇は、専務によってふさがれてしまった…って、またかい!

だけども、嫌だと思っていない自分がいて怖かった。

と言うよりも、なれてしまったと言った方が正しいのか?

そう思っていたら、専務の唇が離れた。

私はハッと我に返ると、
「失礼しました!」

早足で専務室から立ち去ったのだった。

本当に、油断も隙もありゃしない…。
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