永遠に叶えたい愛がある。




「なんで谷岡宗平を知ってるの?」




1つ学年違うし、繋がりなんてないはずなのに。




私だって卒業前に会わなければ、二度と関わることなんてなかったはずのような相手だ。




「うっそ、紗英知らないの?谷岡宗平といえば、北高一のクールイケメンだよ!通称“クール王子”」





は?あいつが王子だって?




どこをどう見たら王子なんだ。




王子というのは、綺麗で温かい優しい笑顔をして白馬に乗った人間のことをいうんだ。




みんな何を勘違いしているのか。





「あいつ…」





“性格悪いよ?”と言いかけてやめた。




知らないってことは素晴らしい。




私にとって悪人でも、みんなからしてみたら善人に見える。




私にとって悪魔に見えても、みんなからしてみたら王子に見える。




誰も傷つかないなら、それでいい。









「ね、今度紹介してよ」




早希のニヤニヤはこれだったのかと納得。






「私あんまり宗平とは関わりたくないんだよね…」





と、早希から目をそらす。



期待で輝く目を直視できない。





「なんでよー、紗英ばっかりずるい!男と縁がないと思ってたのに、まさかのだもん」





そう言われても。





「まあ、機会があったら…」




そんなことないことを願うけど。




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