混 迷

··詠斗の気持ち


咲空は、本当に辛かったと思う。

咲空の思うように
させてあげた方が良かったのかも
しれない。

だけど、やはり
あの辛いままで
咲空をいかせたくなかった。

咲空が一人で寂しいなら
私は、一緒に逝ってもよいと
思っていた。

後から
佳子さんや私の両親から
酷く叱られたけど。

佳子さんは、「バカっ」
と、いいながら私を
抱き締めてくれて
「華ちゃん、ありがとうっ」
と、言っていた。

詠斗からも叱られたから

「あらっ?!
いつも私には意地悪ばかりで、
咲空にしか優しくないのに
私がいなくなると
寂しく思ったの?」
と、冗談で言ったら
「バカっ
意地悪するほど
なんとかって言うだろうが。」
と、逆に言われて
「えっ、詠斗っ
それって、ねぇ、どういう意味っ?
ねぇってば。」
「ああ?知らない
もう、言うか
だが、勝手に決めるな。
咲空を大事に思うお前の気持ちは
分かる・・だけど・・・
話聞いて心臓が止まるかと思った。
バカ!」
と、言って抱き締めてくれた。
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