混 迷
※※雛・・里・・

『なによ、そんなに怒らなくても
いいじゃない。
私は、羚君が好きなだけじゃん。
まっ、いいか。
今は、女もいないみたいだから。
あの女とも別れたみたいだし。
仕事忙しくて
彼女作る余裕ないみたいだから
私もそろそろ日本に帰ろう』

雛は、大学を出てから
卒業旅行と称して
羚の所にいた。

来た頃は、羚も相手にしていたが
毎日、毎日、あそこ行きたい
ここ行きたいと
煩く言う雛に
「一緒に遊んでいる暇はない
一人で回りなさい。
雛、仕事は?
遊んでばかりいないで
仕事しなさい。」
と、言った。

私は、
「羚君と行きたいの
一人で行くなら、行かない。」

これも、毎日。

終いには、
「日本に帰りなさい!!」
と、言われて
帰ることにした。



里・・
晴敏が、羚を後継ぎにしよう
としているのは
わかっていた。

葵も優秀だが
羚の方が格段上をいく
その上、羚の母親もお嬢様で
気品のある、綺麗な方だった。
羚は、晴敏と羚の母親の良いところを
全て兼ね備ええていた。
だが、私は、葵に継がせて
やりたかったから
強行にでた。
羚に、悪いとか・可哀想とか
思ってもいなかった。
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