私と王子様のプロローグ


「今、別のこと考えてました?」


「えっ、そんなことないですよ」


「水野さんは意外と分かりやすいから」


私が分かりやすいんじゃなくて、神崎さんの洞察力がすごいだけなんだと思う。


私が何を考えていたのかまで見透かされていそうで、目を逸らしそうになる。


「そろそろデザート頼みましょうか。すみません!」


これ以上ボロを出すのは得策じゃない。ちょうど近くにいた店員さんに、コースの締めのデザートを頼んだ。


食べ終わってお会計をしようと思ったら、もう神崎さんが支払いを済ませてくれていて。


「気持ちだけでも、払わせてください。神崎さんにばっかり悪いです」


「誘ったのは俺ですし。また今度、水野さんのお気に入りのお店に連れていってください」


「……分かりました」


相手に気を遣わせず、かつ次の約束まで自然に取りつけるあたりこういうことに慣れてるなぁ。


今度打ち合わせで会ったときお礼をしないと。


そう思いながらお店を出たあと、このまますぐに帰るのももったいないと少し色々なフロアを回ってみることに。





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