カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
慈英は私の手を繋いで、ご機嫌で隣を歩いている。

そんな慈英と同じで私も楽しくて仕方ない。


「心菜は何で英会話できるの?」

「ん?海外に住みたいって思ってたから。」

「へぇー。なら海外に住む?」

「慈英は日本で働いてるでしょ。」

「別に海外にも支社はある。」

「副社長は辞めるの?」

「辞めなくても支社で働ける。」

「そういうモノ?」


会社の仕組みはよく分からない。

そういえば慈英が日本に異動してきたのは2年前か。

それまでは今いるアメリカで働いていたのだと思い出した。


「賢も同じ家で育ったの?」

「当たり前だろ。賢の方が最近まで過ごしてた。」

「二人ともアメリカでもモテた?」

「まあな。」


モテたんだ。

以前賢が言っていた言葉を思い出した。


「何で私なの?」


ふと疑問が過った。

慈英なら私じゃなくても選り取りだろう。


「前に言った事を忘れた?」


隣を歩く慈英を見上げる。

慈英の目と目が合う。
< 103 / 216 >

この作品をシェア

pagetop