カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
緊張して胃が痛くなりそうだ。

役員の面々の中、新人の私は本当に場違いだ。

副社長の後ろに座り、よく理解出来ない話を頑張って理解しようと聞いていく。


「以上ですが、他に議題はありますか?」


遂にキタ!

ゴクリと唾を飲み込む。


「私から一つ御報告があります。」


席を立ち上がる慈英を見れば、私の方に振り返り、顎で隣に来るように指示された。

緊張がピークになる。


「私事ですが、秘書課の雨宮心菜さんと婚約しました。式に関しましては、来春に予定しております。」

「婚約ですか。」

「はい。雨宮さんとは2年前からお付き合いさせて頂いており、彼女が就職したら結婚も約束しておりました。」

「…………。」

「皆様には御報告させて頂きます。」


頭を下げる慈英に私も深く頭を下げた。


パチパチパチパチ…………


拍手が聞こえてきて胸を撫で下ろした。


「これからも息子共々、新しい家族になります雨宮心菜さんを宜しくお願い致します。」


お父様である社長の言葉に、更に拍手が大きくなった。

ほっと胸を撫で下ろした。


「「おめでとう。」」


祝福の言葉に安堵していく。

反対はされなかった。
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