カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
「兄さん、3年目の記念日だっけ?」

「あー、まだ半年あるな。」

「2年目の記念日は何かしたの?」

「ん?内緒だ。」


突如、大きめの声で話し始めた二人を見た。

恵さんと慈英が店前で私達の事を話している。


「やっと卒業して結婚か。長かったよね?」

「まあ。でもずっと一緒にいたし、突然の結婚ではないから、俺も余裕を持って計画はしてる。」

「雨宮も待たせた分、兄を宜しくね。」

「あっ、はい。」


恵さんがにっこりと微笑んだ。


「ここでいい?」

「うん。」


恵さんに大きく頷く。

武内さんに視線を向けた恵さんに、武内さんが中に入っていく。


「座れるって。」

「わかった。」


恵さんと副社長のパフォーマンスを見た女子社員の反応を横目で見る。

こそこそと顔を近づけて話している。

ちらちらと私と慈英を見ながら話している。


「これぐらいは必要よね。」


ニヤリとする恵さんも策士だ。

私はランチを食べに店内へと入った。
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