カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
結婚に向けて

想い描く未来

入社以来、ずっと恵さんの下で働いてきた私が初めて忙しく仕事をしている。

通常業務に加えて任された仕事があるからだ。

それは…………


「課長、これからホテル側との打ち合わせに向かいたいのですが、お時間は大丈夫ですか?」

「今行く。」

「はい。」


毎年、ミサキ商事が開催しているクリスマスイベントの打ち合わせだ。

会社側が主催するクリスマスイベント。

秘書課が毎年主になり手配などを進めている。

今年はその仕事が私に託されたのだ。


「雨宮、資料は?」

「大丈夫です。」

「行くか。ブライトンホテルに行ってくる。」


課長が秘書課へ声を掛けてくれて、課長と二人で打ち合わせに向かう。

ここ最近は残業続きだ。

一週間後に開催されるクリスマスイベントに私も気合いが入る。

タクシーでブライトンホテルへと向かう。

緊張気味の私に声が掛けられる。


「雨宮、もう少しだな。」

「はい。」

「疲れてないか?」

「大丈夫です。私より課長の方が疲れてませんか?いつも遅くまで残業されているし。」

「歳は取ってても体力はあるよ。」


ビシッとスーツを着こなした素敵な方だ。

話し方も柔らかく、秘書課を引っ張ってくれる頼れる一面も大きい。
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