カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
そんな店長から視線を外して、他のお客様の接客に向かった。

名刺を渡された日、家に帰ってから確認してみた。

やっぱりミサキ商事の副社長だった。

カフェで見る岬さんは大企業の副社長とは思えない程、軟派な雰囲気を醸し出している。

イケメンで容姿端麗、その上大企業の副社長が私と友達なんて信じられない。

でも実際に携帯を交換した日から、毎日、連絡を取り合っている。


『おはよう。今日もバイト?』

『違います。』

『なら会えないね。寂しい。』

『明日はバイトです。』

『行くから。』


そんなやり取りをしている。

本当に『寂しい』とか思ってくれてるのか?

マメに連絡をくれるとは、岬さんの意外な一面を知れた気がする。


『学校もバイトもない日はいつ?』

『ないです。』

『遊びに行けないでしょ?』

『放課後とかに行きます。休みの日はバイトなので。』

『俺は雨宮さんと出掛けたい。』

『早番の日なら大丈夫です。』


こう返したら、早速岬さんに誘われていた。
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