カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
その夜遅くに携帯に着信が来た。

相手は勿論慈英だ。


「はい。」

「心菜、起きてた?」

「起きてたよ。今、帰りですか?」

「まあ。」

「お疲れさまです。」


当たり前のように声を掛けた。

クスッと笑う声が電話越しから聞こえてくる。


「やっぱりいい。心菜は一人暮らし?」

「そうですよ。」

「なら、一緒に住もう。そしたら毎日会える。」

「無理ですよ。家賃とか親が払ってくれてるし、生活するお金とかも貰ってるので。」


私は大学生だ。

基本は親が全部払ってくれている。

同棲なんてハードルが高すぎだ。


「心菜の家賃も生活費もいらなくなるだろ?」

「そういう訳にはいきません。」

「何で?」

「まだお互いの事も知らないし、一緒になんて住めません。」


そんな簡単に同棲とか無理。

私にとって慈英は初めての彼氏だし、どう付き合っていけばいいのかも模索中だ。

カフェ以外で出掛けた記憶も少ない。

恋人より友達に近い気もする。
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