カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する

春の連休は何処も彼処も混雑している。

去年まで連休中バイトをしていた私は混雑する休日に出掛けるのは苦手だ。


「混んでる。」

「連休だからね。心菜は副社長と長いの？」

「2年かな。」

「2年？！？」


鈴乃の驚きの声が谺する。


「2年も付き合ってるの？」

「うん。」


結衣にも驚かれる。


「何処で知り合ったの？まさかナンパではないよね？」

「会社の近くにあるカフェでバイトしてたから。そこで声を掛けられた。」

「掛けられた？副社長からってコト？」

「あっ、うん。」


グイグイと質問が飛び交う。

鈴乃も結衣も興味津々で副社長との話題しか聞いてこない。


「岬くんと仲が良いのは副社長の弟だから？」

「そう。」

「岬くん、本当にフリー？」


結衣が真剣な表情で聞いてくる。

賢に本気なのか？


「じゃないかな。本人も言ってるし。」

「そっか。」


嬉しそうな結衣がスッキリとした表情を見せた。

私と賢の関係が気になって仕方なかったに違いない。