初恋にふさわしい人を待っている。
「まず君達のことが知りたいので、こちらの紙にプロフィールを書いてください」

1時間目は、秋月先生との交流の時間を設けられた。まず先生はプロフィールの紙を配り、生徒達の情報を集めた。

記入項目はいたって普通で、先生を驚かせられるような答えは書けなさそうだ。

「あっ、そうそう。項目には書いていませんが、何か面白いこととか、伝えたいことがあれば自由に記入してもらって構いません」

皆さんの個性を知りたいので、と付け加えた先生の視線が私を向く。また目が合って恥ずかしくなった私はうつ向いてしまった。おそるおそる顔を上げると、もう先生はこちらを見ていなかった。


「何か書かないと…」

ぼそりと呟いた声が聴こえてしまったらしい。いつの間にか近くに来ていた秋月先生が、にっこり笑顔で囁く。

「愛の告白、しても良いんですよ?」

一瞬何を言われたのか全然理解できなかった。整理できないまま先生を見上げると、目を細め片方の口角をクッと上げていた。まるで、滑稽だと言わんばかりに。

その時、私の脳内はこの一言で埋め尽くされた。

もしかして、秋月先生って性悪???

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