溺愛王子様のつくり方

美味しい料理と涙の味

「おはよ、ちとせ」



午前9時。
みんなの仕事が始まる頃、医務室のドアが開く。



「燿くん、仕事は?」


「昨日徹夜でプログラミングしててさ、寝かせて」



スタスタとベッドに向かって歩いていく。



「あ、燿くん」



冷蔵庫から栄養ドリンクを出して、燿くんに持っていく。



「さんきゅ。すぐ仕事だからちょっとだけ仮眠させて」



燿くんは、この会社でシステムエンジニアとして働いている。

ここの医務室が募集しているのを教えてくれたのも、燿くんだった。



「あのね、燿くんに聞いてほしい……」



〝話が〟って続けようとしたけど、目の前にはベッドて寝息を立てて寝ている姿。

徹夜明けで疲れてるのだろう。
今くらいゆっくりしてもらおうとそっとベッドまわりのカーテンを閉める。



「ふーん、今でも仲がいいんだね」



ふぅっと一息ついて、事務処理をしたりしようとパソコンを開いたとき、ドアの方から聞こえたそんな声。

< 23 / 189 >

この作品をシェア

pagetop