キミの取り扱い説明書~君が冷たくする理由~

運命の歯車



【 琥珀side 】


穂希から優愛が北山先輩に呼び出されて
出ていったって聞いた途端、
心臓が異常な程鳴り響いて、
いてもたってもいられなくなった。

北山先輩は俺が小学校高学年の荒れてる時期に、
ケンカ売ってきた人で、
それを俺は返り討ちにした。

だからか、
俺に恨みを持ってる。

だからきっと、俺を好きな.、いや。

俺が好きなアイツのことを、

傷つけようとしたんだろう。



心配だった。


体が勝手に動いてた。


それなのに、


『バッカじゃないの?』



『調子乗んなよ』



こんな言葉を言いたかったんじゃない。

こんなこと、思ってなかった。

心配で、心配で堪らなかった。


怖かったよな。もう大丈夫だよ。


どうしてそう、言ってあげられなかったんだろう。


俺は、いつも素直になれなくて


アイツを傷つけてばかりいる。



きっと、凄く傷ついてて我慢してる。


なのに、
彼女はいつも俺に笑顔で着いてきてくれるんだ。



だから、きっと俺は



それに満足してたんだと思う。



ここまま、


こんなごく普通の幸せが続いてくれらばいいな、


なんて、




甘い考えだったのかな…?
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