放課後は君と2人で



確信があるわけじゃない。


でもなんとなくだけど…

彼が居るような気がする。


…………蒼衣先輩。



「俺の条件覚えている?」


「その1が蒼衣先輩に告白・その2が名前でしたね」


「物覚えがいいねー、夏帆は。

ここは俺が払うから行ってこい」



行くの?
あたしが?

今?



「今行かなかったら夏帆の事だからこの先ずっと行かないような気がする。

だから今行って、気持ち伝えてこい。


もしかしたら、ダメかもしんねぇよ?
でも言わないで後悔するより言って後悔したほうがマシだろ?」


どっかで聞いたことのある言葉だけど、
今のあたしにはスーッと体の中に入ってきた。



「当たって砕けてこい。

砕けたら慰めてやるから」


「…………ありがとう、ございます」



優しい福島先輩に背中を押されてばっかりだ。


最後まで優しい福島先輩。






あたしはそんな福島先輩が大好きでした。




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