放課後は君と2人で



「あーあ、1冊くらいあってもよかったのになー」


「だーかーらー、あれは高そうだから無理だって言っただろ。
欲しかったら彼氏に頼んで買ってもらえ」



聞こえるくらい大きな声で話したら…

反応した!


もう梓にもバレたのでわざわざ隠す必要が無くなったので素の顔で堂々と話している。


平本先生は素の顔が似合っている。



「福島先輩にそんな高い物買ってもらえるわけないじゃないですか!
社会人じゃないんだから」


「じゃあ諦めろ」



やっぱり意地悪だ。

蒼衣先輩もどちらかというと意地悪だけど…
平本先生の方がもっと意地悪だ。




梓はさっきから如月さんと仲良く話している。

さっきまで泣いていたのがウソのようだ。



「今回は絵本、諦めようか。
また今度の機会に買ってもらおう」


「次は頑張ります!」



次は絶対!
図書館に置いてもらおう。




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