エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「こ、これは……」

「俺の番号とアドレス。小松さんがよければ、いつでも連絡して。必ず返事をするから」

「先生……」

それは、プライベートで連絡をするということ……? 突然渡された先生の番号とメアドを見つめながら、言葉が続かぬにない。

どうして先生がそう言うのか、よく分からなかったから。呆然とする私に、先生は真面目な顔つきで言った。

「もし嫌でなければ、きみの連絡先を教えてくれるか? 俺からも連絡したい」

「私の……ですか?」

「ああ。小松さんとは、もう少し話をしてみたいなと思って」

先生の言葉には、それほど深い意味はないんだろう。だけど私は意識してしまい、ドキドキしながらも自分のメモを破った。

そしてそれに番号とアドレスを書くと、先生に渡す。忙しい先生が連絡をしてくるのか、分からないけれど……。

「ありがとう。必ず連絡する。じゃあ、また」

先生は微笑んでそう言うと、足早に病棟へ戻っていった。先生の笑顔は、やっぱりドキドキする。

私と話しをしたいって、先生はどういうつもりで言ったんだろう……。それが、とても気になるーー。
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