エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「えっ……? 避ける……ですか?」

肩越しに振り向くと、先生が真っ直ぐ私を見つめている。人通りの多い場所で、私たちは道行く人たちの視線を集めていた。

「そうだよ。病院で会ったときも、避けていただろ? 電話でも素っ気なくて、俺との関係を後悔してる?」

「こ、後悔だなんて、そんなことはないです」

先生と向き直り、慌てて否定する。もしかして私、先生に勘違いをさせていた……?

まさか、不安にさせていたの?

「本当に?」

静かに言う先生に、私は頷く。誤解をさせていたなら、一刻も早く解かなければ……。

「本当です。私、自立した女性になりたくて……」

「自立?」

怪訝な表情をした先生に、私は綾子から聞いた内容を話した。

先生の足手まといになりたくなくて、会えなくても平気な振りをしていたことを言うと、大きく息を吐かれてしまった。

「たしかに、きみの言うとおりだ。だけど、自分の気持ちを、そこまで抑える必要はない。俺は、久美に会いたかったよ」
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