届かぬ想い
酒もだいぶ進んだ頃に思い切って優太に聞いてみた。


「優太、なんかあったのか?」

「あー、うん…」


それっきり黙る優太。

俺もそのまま黙って隣で酒を飲んだ。


「オレさ。…オレって、いつもタイミングずれてんだよね」

「タイミング?なんの?」

「いなくなってから気づくとか、ナイよなぁ……」

 
いなくなってから?

その言葉にで脳裏に浮かんだのはアヤノで、

本当はすぐにでもその意味を聞きたいくせに余裕を装いビールを一口飲んでから、


「何が?」

「大事なモノ」


ダイジナモノ?
アヤノ、のことだよな?


「モノなら勝手にいなくなんないだろ?」

「だよね。オレ全然気づいてなかったんだ」


お互いに言ってるのはアヤノのことで

わかってるけどその言葉をどうしても口に出来なくて

自分にいらだつ。
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