届かぬ想い
俺は親父のつてをたどって修行先を決めた。

今はプライドとかそんなことは言っていられない。

三年目にものになっていなかったら日本に強制送還と通達されている。


そして親父の会社にそのまま永久就職。


「嫌なら、せいぜい頑張るんだな」


それが親父の愛情表現。


親父のくれたチャンスに俺はただ向き合うだけ。

今度こそ逃げずに一人で



飛行機に乗ってしまえばたったの12時間。



「あ、そういえば朔也―――」


搭乗口に入る前に優太の放った一言。


その言葉に四年前のあの光景が脳裏に鮮明に浮かんできた。
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