届かぬ想い


「……神代くん?」


その声にハッとしてみれば、あの派手な女アヤノと、優太?

何でこんな時間に?

とうに終電なんて終わってて、これからいける場所なんて限られている。

しかも男と女でこの時間一緒にいるっていうのは……


「よ、優太」

「すごい時間にいるわね?神代くん」


すごい時間ってお前らもだろ?

ていうか、俺には見えた、繋いでた手がさりげなくはずされた瞬間を。


「ヤボ用」


言えるかよ。寝ている女を置いて帰ってきたとか。

つうか、お前らそんな関係?


「じゃな、また」

「オツカレ」


おい、優太。

お前わかってて、それ……

ニコッて笑ってそれだけ言うと優太は歩いていった。
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