【完】恋歌


ヴァン・ヘルシング教授の下で、民俗学を学んでいた彼女は、自分の変化に一人で苦しみ喘いでいた。


人の血が狂ったように、この身を刺す。


それを悟った教授が、彼女をバチカンへと送り込んだのは、もう何十年も前のこと。


人の恐怖かそれとも救済か…。


…今では、何処に本音があるかさえ分からない程だった。

何故ならば、教授は自分に持てるだけの知識を授けた後に、息を引き取ったからである。

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