初恋~ある女の恋愛物語~
溢れてくる涙を
隠すように私は笑った

『自分で選んだ
道だから、仕方ないの』

浩太さんは私の涙に
気付かないフリをした

チラッと私を見てから
空を見上げた

『千穂ちゃんがまた
道を変えたらいい
だけじゃないの?』

『それが出来たら
ちっとも苦労しないよ』

私も空を見上げた

綺麗な星がたくさん
散りばめられている

『俺にその役目は
果たせない?』

突然の言葉に
私は浩太さんを見た

照れ笑いをしている
浩太さん

その笑顔に
吸い込まれそうになる

でも私の口から
言葉が出てこなかった

『無理だよな。
大丈夫、本気に
しなくていいよ。
悩ませるつもりじゃ
ないからさ。ごめん』

浩太さんがとても
悲しそうな笑顔で言った

私はどうすればいい?
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