初恋~ある女の恋愛物語~
『あんた、本気で知らなかったのかよ』

何も言わないあたしにそんな言葉を残して先輩達は去っていった

私はただ呆然と先輩の背中を見つめた

私は別れさせられたの?

誰かもわからないそんな奴に?

涙が溢れていた

私のせいで殴られた彼

私には何も言わなかった

その優しさがたまらなかった

ごめんね…

何度も呟いた

届かない声で何度も呟いた

そのまま彼とは話す事はずっとなかった

謝りたかったのに

謝れなかった

いつも一緒に居た私達が一緒に居られなくなった事をみんなが不思議がってた

理由は誰にも言わないままだった

その後、彼を殴った先輩に告白された

私は好きな人が居るからと断った

先輩には自分がした過ちに気付いて欲しかった
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