初恋~ある女の恋愛物語~
とても仲良く過ごしていた私達だったのに

いつからか、彼の態度に異変が起きた

女の勘とでも言うのか

何かを感じていた

そう思ったのに、今は彼の傍に居たくて彼には何も言わなかった

どうしたの?何かあった?

その一言で、今の幸せが、一気に壊れてしまいそうな気がした

幸せを逃がしたくない

ずっと悩んでいた

でもしばらくして彼の気持ちを考えた

別れを切り出せないお人好しな彼

このまま一緒に居たら彼が可哀想だと思った

私は決意した

私なりの、彼への最後のプレゼントの言葉

『私、好きな人が出来たんだ。だから別れて欲しいの』

彼に対する思いやりのつもり

本当は彼が大好きだった

離れたくなかった

彼は

『わかった』

とだけ呟いた

私の目を見てはいない

きっと内心はホッとしていたはず

私の気持ちは伝わらなかっただろうけど

彼とはその後も仲間の家で、よく会った

本当に仲間のような感覚で話した

これで良かったんだと私は何度も自分に言い聞かせた

辛かったのは私だけだったとしても彼が幸せなら良かった
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