初恋~ある女の恋愛物語~
ようやく頭が働き
携帯を手に取る

電話をかけると
無情な機械音が流れた

留守電ではない

“現在使われて
おりません”

のメッセージ

何?

どういう事?

意味がわからない

私を愛して
いたんじゃなかったの?

床にしゃがみ込んで
涙が出るのを
こらえることもせずに
感情のまま泣いた

泣いても泣いても
涙は溢れてきた

でも何で?

私が何をしたの?

昨日あんなに
祝ってくれて
抱いてくれたじゃない

そんなのおかしいよ

プレゼントだって…

あ…プレゼント

鍵がある!

そう

浩太さんの部屋の鍵

私はそのままの格好で
着替えもせずに
浩太さんから貰った
鍵を握りしめて
車を走らせた
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