初恋~ある女の恋愛物語~
その日飲み続けて
ようやく解放して
もらえた私たちは
式場の最上階の部屋に
泊まる事にしていた

ようやく一息つけた

『楽しかったね』

『ちょっと飲み過ぎた』

そんな会話を交わして
窓の外を眺めた

夜景が目に沁みる

なぜだろう

自然と涙が零れた

止めたいのに
止まらない涙

『千穂?』

大介が驚いていた

私の肩を抱き寄せて
頭を撫でてくれた

『どうした?こんな
素敵な日になんで
涙を流してるの?』

『ごめん。私、大介と
こうしていられるのが
まだ夢みたいで…』

『何言ってるんだよ。
夢なんかじゃない。
俺たちはもう悩む必要もないんだよ。大丈夫』

私を抱き寄せる大介の
手に力が入った
< 404 / 409 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop