初恋~ある女の恋愛物語~
馨さんの金持ちさにはいつも驚かされた

何で寿司屋で働いているのか、私には全くわからなかった

社会勉強?

結局女遊びを楽しんでるだけのくせに

私は馨さんに忠告した

『あなたが他の誰かを抱いても知らないフリするから、逆の時も知らないフリしてね』

馨さんは複雑な表情を見せた

そして渋々頷いた

とても考え込んでから

『今のところ誰も居ないけどね』

私の言葉に馨さんは笑顔を見せた

その表情がまた私を複雑な気持ちにさせる

私に本気じゃないのはわかっていた

でもそんな表情されたらちょっと期待しちゃう

期待しちゃダメだってわかってるはずなのに

馨さんに抱かれるたびに彼にのめりこんでいく自分がわかった

どこかでストップをかけているはずだった

でもそのストップが効かなくなりそうだった
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